2016年に一気にバトンルージュを代表するラッパーとなったNBA YoungBoyでしたが、2017年は順風満帆とは行きませんでした。2016年末、暴力事件により逮捕され、2017年の前半を棒に振ることになります。(参考:https://www.wafb.com/story/34016597/teen-rapper-nba-youngboy-arrested-for-case-connected-to-series-of-shootings-in-br-neighborhood/)
それでも、5月の終わりに保釈されてからは3枚のミックステープを発表しました。当時はKodak Blackと並んでティーン世代の実力派ツートップという感じでした。自分にとってもこの2人は今でも神様です
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2017年
7th: AI YoungBoy (2017/8)
8ヶ月ぶりの7枚目です。この作品も間違いなく傑作です。5枚目の.38 Babyは主にサウスのヒップホップや硬派なギャングスタラップが好きな人に刺さる作品でしたが、本作にはUntouchableやNo Smokeといったヒットシングルも収録されており、万人に受ける作品だと思います。実際、USビルボード200チャートで24位を記録しています。
Wat Chu Gone Do (feat. PeeWee Longway)
Tahj Money製の変わったビートが癖になります。PeeWee Longwayもいい仕事してます
No Smoke
NBA YoungBoyの代表的な曲です。ノリの良いキャッチーなビートにエグいラップ乗せてます。シンプルにくそカッコイイっす
Untouchable
No Smokeと並んで人気のある曲です。彼のこれまでのラッパーとしての人生を総括したような曲です。彼が保釈されたのが5/22なのですが、そこからわずか9日後にリリースされた曲です。
イントロでMeek Millとビデオ通話をしている様子が写っていますが「バトンルージュを離れないと死にかねないぞ」と忠告されていたそうです。それを受けて「Get out BR, move to LA, where I ain’t got to keep a tool (バトンルージュを離れてロサンゼルスに移り住む。そこでは銃を携帯する必要はないんだ)」と歌っています。
そして、「Surprise, but, I knew my dreams comin’ true (驚いたけど、夢が叶いかけていることに気づいたんだ)」のラインは胸熱です。おそらく出所した時、世間で自分のラッパーとしての名声が広まっていたことに対しての感想じゃないかと推測してます。
Graffiti
Gangstaの痛みを歌った曲です。「Know that I’ll never change Know they ain’t feelin my pain(俺は決して変わらない、奴らに俺の痛みはわからない)」
Dedicated
サビを歌いたくなります。批判されてもずっと音楽に打ち込んできたということを歌っています。Untouchableと並べて聞きたい曲です。
8th: Ain’t Too Long (2017/10)
短めの8枚目です。地元のラッパーとBeefしてた時期ということもあり、緊迫感のある攻撃的な曲が多いのが特徴です。
Confidetial
巻き舌マシマシで詰め込みまくったラップです。イケイケです。
Pour One
YouTubeでしか聞けない曲です。BeefをしていたDa Real Gee Moneyというバトンルージュのラッパーに向けて、語りかけるように歌っています。彼はこの曲が出る前に銃撃されて亡くなっています。元々は仲間であったこともあり、リリックからは複雑な感情が読み取れます。
War Wit Us
YBの曲の中でもトップクラスに攻撃的な曲です。Beef相手に向けた曲でしょう。
「I’m screamin’ “Who want war with us?”(俺らとやり合いたいやつは誰?)」
9th: Fed Baby’s (w/ Moneybagg Yo) (2017/11)
メンフィスのラッパーMoneybagg Yoとのコラボミックステープです。2人とも当時スターへの階段を駆け上がっていたギャングスタラッパー同士ということもあり、とても勢いがあります。隠れた名盤です。
ボス感の溢れるMoneybaggと鉄砲玉のようなYoungBoyの掛け合いがたまらない作品です。
ちなみに、曲名がやたら難しいですが全部法律用語になってます。
残念ながらこの作品をリリースした直後から2人の関係は悪化し、その後のコラボはありません。
Preliminary Hearing
矢継ぎ早に入れ替わる掛け合いがめちゃくちゃかっこいいです。ちなみにタイトルの意味は「予備審問」だそうです。
Acquittal
YBの歌フローがめちゃいいです。タイトルの意味は「無罪判決」です。
Prime Suspect
がっつり哀愁系。泣けます。タイトルの意味は「第一容疑者」だそうです。
おまけ
サブスクでは聞けないのですがNBA YoungBoyとKodak Blackの貴重なコラボ曲がリリースされてます。哀愁たっぷりのChosen Oneは特におすすめです。2018年以降ずっと関係が悪かったのですが最近ビーフをスカッシュしたらしいのでまた新たなコラボ曲期待してます。
まとめ
昨年と比べるとリリースは少ないですがさらなるブレイクを果たした一年でした。そして翌年、2018年はついにメジャーデビューです。次回の記事では特濃の2018年について書いていきます。
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