NBA YoungBoyことYoungBoy Never Broke Againは2015年に15歳にして初めてのミックステープを発表しましたが、そこから8年弱で30作以上のプロジェクト(曲数でいうとだいたい500曲)を異常なペースでリリースしてきました。
Tyler, the CreatorやMigosらとの共演もあり、ここ2~3年くらいで日本でも知名度を獲得しつつあるように感じますが、リリース多すぎて過去の曲はわからないという人も多いと思います。そこで、時系列順に作品を紹介しながら、YBのたどってきた足跡を振り返りたいと思います。
基本的にMVがある曲と、特におすすめの曲を紹介します。
2015年
1st: Life Before Fame (2015/04)
まずは1作めです。この時点で15歳ということもあり、声も幼さが残ってます。ですがすでにがっつりギャングスタラップやってます(笑)
近年の作品よりもバトンルージュのローカルな雰囲気が濃く、これはこれで面白いですが以降の作品と比べるとまだまだクオリティは高くないので必聴作品というほどではないです。
「Life Before Fame」というタイトルの通り、ここから2年後には全米デビューするなど数々のFameを獲得していくことになります。
N.B.A
若気の至りなのか、かなりオラついたラップしてますがそれでも15歳とは思えないラップスキルです。
NBAとはNever Broke Againの頭文字をとっていて、YBが所属するギャングのことです。3ThreeやLil Dave、KD、Big Bなど彼の曲のリリックによく名前の出る人はNBAのメンバーのことだと思って大丈夫です。
2nd: Mind of a Menace (2015/12)
前作から8ヶ月後にリリースされた2nd Mixtapeですが明らかに楽曲のクオリティが上がっています。YBらしい特徴的なメロディや詰め込み気味なラップなどがあり、聴き応えのあるミクステです。
Homicide Remix (feat. Scotty Cain)
同郷のラッパーScotty Cain参加の曲。この人もめちゃめちゃカッコいいです。Hookがキャッチーでいいです。残念ながらその後は関係が悪化しbeefに発展してます
Ain’t No Way Around It
NBA YoungBoyといえばGangstaの心情的な痛み(Pain)をエモーショナルに歌い上げるスタイルが定番ですが、このころからそういう曲を出してます。
Until Then
メロディアスな曲です。こういう低めの声で歌う曲最近やってない気しますが初期は多用していました
2016年
3rd: Mind of a Menace 2 (2016/4)
3作目です。だいぶ仕上がってきてます。このころの作品は特に同郷のKevin Gatesの影響も感じられるような気がします。
Fact
ストリートでストラグルすることについて歌っています。
Murder
後に21 Savageが参加したバージョンがワイルド・スピードのサントラに収録された曲です。とりあえずこの曲聞いたらYBが天才なんわかると思います。最初のバース気持ちよすぎる
Bandz
セカンドバースでギア上げてくるところめっちゃいいです。
Be The Same
16歳らしい思春期感のあるリリックの曲です。サビで「No I ain’t rich (No I ain’t rich) But this life I live so amazin’(俺は金持ちじゃない。だけどこの人生はマジで素晴らしい)」と今ではもう聞けなさそうなこと言ってます
Win Or Lose
Until Thenと同系統のエモーショナルな曲です。笑いながらカメラに銃向けてくるんほんまおもろい
4th: Before I Go (2016/6) / Reloaded (2016/12)
前作から2ヶ月に発表された4作目です。マジでペースが早い。とりあえずSo Longだけはおすすめです。
また、この作品とMind of a Menace 2をまとめたBefore I Go Reloadedがサブスクで聞けますが、一部収録されていない曲があります。
So Long
NBA Gangの仲間の3Threeとハスリンを始めてから、逮捕され、刑務所の中でラップを書き、出所後その曲で成功したということを歌ってます。おすすめです。
Kickin Shit
後の名コンビとなるTnTXDとの最初の曲です。
Dream
Dreamというタイトルですが一言目に「It ain’t a dream, it’s really what it seems (これは夢じゃない、本当に見てきたことなんだ)」と否定してきて、ストリートのRealを歌ってます。MVが物騒すぎる。
Thug Wit Me
完全にFetty Wapです(笑)
5th: .38 Baby (2016/10)
出世作の5作目です。このミックステープは自分がUS HipHopを聞き始めるきっかけになった作品の1つなのでめちゃくちゃ想い出深いです。そして、間違いなくNBA YoungBoyの最高傑作の1つだと思います。Boosie BadAzzやKevin Gatesなど地元バトンルージュのスーパースターを客演に呼んでいたり、順調に成り上がってきていることがわかります。
38 Baby
なんとなく和風な感じがするビートにエグいラップのせてます。「Andy Gaulden was my uncle, robbing shit in my genes(Andy Gauldenは俺の叔父だ、強盗が遺伝子に刻まれているんだ)」はとんでもないパンチライン
Hell and Back
エモーショナルなビートでエモくなりすぎないラップするのがこの時期のYBのいいところだと思います。「Full of pain, but, I’m steady shinnin’(傷だらけだけど俺は輝きを保っている)」まさにこのラインに尽きるなと。
Gravity
どん底の人生で多くの痛みや苦しみを経験してきたが金を稼ぎ、刑務所にいる父親の代わりに家族を養っているというストーリーを歌ってます。何となく前向きな気持ちになれる曲です。オススメ
What I Was Taught
ラップが上手い
「Never fold, never speak on what I know, what I was taught (決して折れないこと、決して知っていることを話さないこと、それが俺が教えられたことだ)」とかストリート感あっていいですよね
Down Chick (feat. OG 3Three)
ゆるい曲です
I Ain’t Hiding
一転してスリリングな曲です。終盤の畳み掛けるような高速ラップがかっこいいです。また、「Double A flexin’, This is the Sound」のプロデューサータグでおなじみのDubba-AAがプロデュースした曲で、このコンビは名曲生みまくってるので要注目です。
6th: Mind of a Menace 3 (2016/11) / Reloaded (2017/4)
前作からわずか1ヶ月後にリリースされた6作目で、Mind of a Menaceシリーズの最終作です。とりあえず注目はMurder Remix (feat. 21 Savage)でしょう。
翌年の4月にReloaded版がリリースされ、Moneybagg Yoとの曲などが追加されてます。
Life
DatPiff版のみ収録の曲です。YBにしてはめずらしいサンプリングのビートで身近な人々との出会いや別れを歌っています。隠れた名曲です。
Murder Remix (feat. 21 Savage)
この2人が組んだら半端なくイカツイっす。貴重すぎる2ショット
まとめ
ここまでの作品がインディペンデントでの活動になり、2017年からの作品はメジャーレーベルからのリリースになります。このとんでもなく濃い2年間で無名なYoungBoyがバトンルージュのビッグスターへと成り上がったことがわかったと思います。
次の記事では2017年の作品について紹介していきます。
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